2021/11/22
起業って実際どうなんだ!?
JobTapの中の人の一人、
中小零細企業の社長です。
僭越ながら、起業について語らせて頂きます。
最近起業がブームですね。
そしてこれはどんなものでもそうですが、
伸びる会社もあれば、衰退して消えていく会社もあります。
選んだ業種やもともとあった人脈の太さなどによって成功率が変わってくる。
これは想像しやすいと思いますが、もう少し現実に即した、意見や感想を
お話しできたらと思います。
起業については、この文章を打っている中の人は創業社長ですので、
自分自身でも起業はしておりますし、またその関係でいくつも起業の応援を
させて頂いた経験がございます。
とはいえあくまで一個人でのお話なので、事例としては十分に語れるほどの
数はこなしてきておりませんので、あくまで参考程度に読んでください。
※文中でいう社長という単語は、創業社長のことだとお考えください。
経営者とも同義としてください。雇われ社長は含まないです。
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●起業前段階
まず、そもそも起業ですが、本当に起業できる人とそうでない人に分かれます。
大半の方は起業の話はするものの、実際にはしません。おそらく九割近く。
なぜしないかというと、
①そこまで起業するメリットがない
②いざやろうとしたら起業までの手間が面倒
③お金が足りなくて始められない
④そこまでの情熱が実際にはない
⑤家庭がある、などの事情で冒険が出来ない
こういった理由によって断念、もしくは留保する方が大半です。
起業できた人はこれらの関門を無事突破したのかというと、
実際そうでもありません。
①起業するメリットなども別にあまり深く考えていない
②起業までの手間が面倒かどうか考えるのも面倒で
とりあえず始めてしまった
③お金が必要かどうかあまり考えずに始めた
④情熱なんてないけど、なんとなく始めてしまった
⑤冒険出来ない状況かどうかあまり考えずに始めてしまった
正直、こんな方が大半だと思います。
起業に対するロマンチックな書籍がたくさんありますので、
そういう書籍を愛読されている方からしたら、まさかそんなというお話かと
思いますが、個人的にはこちらの方が実態に近いと感じます。
当たり前です。
人間みんな面倒くさがりです。
起業なんて面倒なことをしてしまう人は、
起業が面倒かどうかもあまり考えずに始めた方が多いと思います。
きちんと物事を計算できる方は、特別な才能のある一部の方は除き、
起業なんてしないんじゃないでしょうか。
夢を持って希望に胸ときめかせて起業した、という方を
中の人は残念ながらあまりお会いしたことはありません。
起業してから、楽しくなって頑張っているパターンはありますが、
起業前の段階では、そこまできっちり計画を立ててしっかり歩んできた、
なんて方はごく少数だと思います。
ちなみに⑥を忘れておりました。
⑥起業するしかなかった
このパターンも非常に多いです。
これはたくさんの社長さんと話す機会が多い、税理士さんなどの方がいう
あるあるのお話ですが、
会社員やそういう組織の中でうまく生きられなかった方々が起業する。
ちなみに中の人もこのパターンでした。
ほかに行く道がないのだから、必死にやりました。
起業を結局しなかった方は、反対に、組織の中で生きる力をちゃんと
持っていたり、メリットデメリットを慎重に考えることができた方なんだと思います。
そういう方なのにそれでも起業をしようと今なっている方には、
起業するならある程度バカになってください、とお伝えします。
結局やってみないと分からないです。
大けがしない程度に、いきなり大借金抱えたりせずに小さくスタート。
あとはやりながら学んでいく、という方法です。
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●起業後
さて、起業してからある程度食っていける方と、がたがたになってしまう方と
いらっしゃいます。中の人の会社もまだ起業してからまだたった8年で、
軌道に完全に乗っているとはいえない状況です。
とはいえ、食うにも困るような状況にはなったことはありません。
ある程度会社が大きくなってくると、サポートをしてくれるスタッフが
増えてくるので、社長の能力は経営者としての能力だけあればいい、という
形になってきます。が、難しいのはそこまで行く手前。
社長も最前線に出て働かないといけません。経理も社長です。
法律関係の知識も必要、クレーム対応も社長の仕事。
いくつもの業務を回し、取引先やお客様を増やしながら、規模を拡大したり、
新商品や新サービスを開発したりしないといけません。
週5で1日8時間労働、といった労働基準法の規定の労働時間では、
よほど優秀な人は別でしょうが、ふつうは無理です。
経営者は労働者ではないため、労働基準法は関係ありません。
残業といった概念はありませんし、ついでに過労死しても労災は下りません。
倒産しても失業保険はありません。
労働者を守るための数々の仕組みがありますが、社長には適用されません。
※代わりとなる民間の保険に入っておく方法はあります。
まさにノーガードです。
破産したらその時はその時だ!という覚悟でいかないとなかなか起業までは
踏み切れません。
なので、
①働きまくれる体力がある
②ある程度全方向の仕事ができる
③保証がなくても突っ走れる
こういった素養がある方でないと起業してもそこからがなかなか続かないと思います。
ただ、やり出したら意外と頑張れてしまうものなので(というかやるしかない)、
このあたりに自信のない方でも、やればなんとかなったりもします。
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●撤退
始まりがあれば終わりがあるのは起業でも同じです。
無事ひと財産築いて夢の早期リタイアライフを楽しもう!なんて方も
きっといらっしゃるのでしょうが、現実なかなかそういう方は多くない。
実は一番多いパターンは、うまくいくパターンでも、倒産してしまうパターンでもありません。
潰れはしないけれど、儲かりもしない。
年齢ばかりあがっていって、成長していかない。
学校の成績でも賭け事でもなんでもそうですが、
世の中まんなかの値が一番多くなるものです。
順調にいける会社は一部。
倒産する会社も一部です。
普通に勤めている時よりちょっと少ない収入で、労働時間は伸びまくって、
でもなんとか食いつないでいる、という生かさず殺さずパターン。
これがある意味一番怖いです。
倒産すればもう諦めて就職し直すなり、また再起を図るなりふんぎりが
つくのですが、そこまでにはならない。
かといって続けていっても先がない。
中途半端にいろんな人や会社と繋がってしまっているものだから、
簡単に会社を畳むわけにもいかない。
これが続くようだったら、年齢を重ねすぎて身動きが取れなくなる前に
潔く撤退することも必要になってくると思います。
起業される方は、うまくいくかそうでないかで考える方が多いです。
実際はパターンはもっと多いわけです。
起業する際に、計画をきちんと立ててから進めていきたいという方は、
この中途半端なパターンも想定されておかれるとよいと思います。
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●おわりに
長文で好き勝手に書かせて頂きました。
あまり文章がまとまってはおりませんが、お許しください。
簡単にまとめます。
起業前起業後
・結構いい加減な理由で始めている
・社長は立派でない人のほうがむしろ多い
※馬力がある人は多いですが
・スタートしても、大成功する確率も大失敗する確率も低い
→生かさず殺さずが多い
まだまだ弊社も時代の荒波に飲まれ飲まれてアップアップしながら生きている
笹船のような会社ですので、どうなっていくかは分からないですが、
外部格付け会社様からは割合良い評価を頂いております。
手前味噌にはなりますが、愚かな社長を支えてくれる一生懸命なスタッフが
たくさん揃ってくださっていて、会社全体でいえばコロナの影響をはねのけて
上り調子になりつつあります。
こうしたコラムがどなたかのお役に立つのかは分からないですが、
大手一流企業の社長には逆に書けないコラムを、コツコツと書かせて頂けたらと思います。
また社長をされている方に対し失礼と受け取られる表現をしておりますが、
もちろん全員が全員そうだというお話ではありません。
お気を悪くされた方がいらっしゃいましたら先にお詫びさせて頂きます。